京都人も知らない!ミステリー?伏見の酒は女酒?
伏見の酒は女酒?
京都伏見といえば、銘酒の産地として有名だ。
しかし、同じ関西の酒でも一般的に
兵庫県の灘の酒が辛口の男酒といわれるのに
対して、伏見の酒は甘口の女酒だといわれている。
その秘密は水にある。
水が豊富な京都のなかでも、
伏見はとくに古くから名水の産地だった。
山が海に迫った地形が多い日本には
もともと軟水が多く、飲み水も豊富である。
酒造りには発酵が順調に進むための
ミネラルを適度に含んだ水が必要とされるが、
水の硬度、すなわち水のなかのミネラル分の多い少ないは、
地下を通過するときの地層の違いによって変わってくる。
伏見の水は花崗岩でできた地層を通過してくる。
この層からほどよい量のミネラルが水に溶け出し、
中程度の硬度をもった水となるのだ。
この水を用い長い時間をかけて発酵させた伏見の酒は、
酸が少なめでやや甘口、きめ細かく柔らかで、
淡麗な風味のある酒になったのである。
酒は人々の嗜好によって変化するものでもある。
灘の酒が江戸の人々の嗜好に合うよう
江戸送りの酒」として造られていった
のに対して伏見の酒は、
あくまで京都人のための「京料理に合う酒」として、
ほど良いミネラル分を含んだ水と京風の風味を
生かしつつ洗練されていった。
現代では硬水、軟水のどちらかを使っても、
辛口、甘口の酒を造り分けられるようになっているが、
灘の男酒、伏見の女酒のように、
その地域でしか造れない伝統の味は
多くの人に愛されながら今に続いているのである。
*口コミ!
酒飲みにはうれしい「
月桂冠大倉記念館」入場料300円。
趣きある建物で日本酒の歴史を知るのも楽しい。
吟醸酒やプラムワインの試飲もできる。
お土産にぴったりな酒まんじゅうも買える。